小説【5人の王】感想②
小説:5人の王の感想です。
①の続きだー!
①の内容→
「とにかくジェントを想うと不憫で胸が痛んで萌える」
以下ネタバレありなので注意!
◆赤の王(ギル、ギュールズ)
漫画1巻では私の中の最萌トップでした。ぶっちゃけ漫画の2巻でも、なんとかギル様の巻き返しはないものかと願っていましたが、彼のピークは1巻のみで、その後はみごとにフェードアウトします(;;)うっ、ギル様・・・。
1巻の頃はそりゃあもうセージと同じ気持ちになっていて、なんていいところで邪魔しやがるんだこのドS王が!青の王に毒づきながら読んでいました。
・・・そう考えると初期はけっこうセージに感情移入していたかもしれません(その後、あかんこの子あたまおかしいほどシスコンやと気づいて感情移入はしなくなるんですがw)
ギル様はカーマと仲良くなるみたいで、まぁよかったかなって思いました。
でもね、ファンとしてはもうちょっとがんばってほしかった!もうちょっとセージをめぐる青の王VS赤の王がみたかった・・・どうせならジェントがセージがヒソクだったと気づいたあともしばらく絡んでほしかった・・・。
こんなとき乙女ゲーならギル様ルートを楽しめるのに、なぜ漫画なんだちくしょう
◆紫の王(パーピュア様)
5人の中で唯一の女性。なぜか様付けしたくなる人。
さっぱりした女性ですごく好きです。こういう人が友達にいたら楽しそう。
エールとの悲恋はなんかもう、どうにかしてあげたかった!エールなんで死んでまうん(;;)
パーピュア様がルリに対してルリは守りたいタイプだからそのへんはわかるけどさ的にぼやいて落ち込んでいたとき、ルリが嫌いになりました(笑)
もうちょっとパーピュア様救済シーンがあったら良かったのに。セージ他人も過去につれていけるなら、エールの本当の想いを伝えるとかちゃんとお別れさせるとか、夢の中でもいいからなんかできたんじゃないの?ってすごい思ってしまう。
いいキャラなだけに、救済してほしいなと思う人No1です。
◆黒の王(セーブル)
術師大好きおじさん。
悪役のようなポジションに置かれていますが、そんなに悪い人でも無いのでは・・・?と感じる。憎めないお人です。
ビジュアルが某乙女ゲーム元祖の某キャラにそっくりなのでそう思ってしまうのかもしれません(笑)
◆ウィロウ
彼がいなかったら最後まで読めなかったかもしれない。この物語の清涼飲料水・ウィロウです。
「自分のために生きて、笑う努力をしろ!」は名言。
彼が出るだけで場面が明るくなる。くらーい話もパッと明るく軽い雰囲気に切り替えられる。重度シスコンの死にたがり症候群のセージに対して読者がいいかげんにしろよお前・・・(^^#)となる直前直後くらいにあらわれて、バカ王!とかバカ!とか気持ちよく言ってのけてくれるので気持ちがすっとして(笑)先の話を読みすすめることができました。
セージが行き詰っているときにふらっと表れて軽口たたいてさっと去っていく、問題も解決してくれる、すごい有能キャラです。
スピンオフではなぜかシアンとくっついたらしいのですが、本編では全然想像できません。何がどうなってそうなったんだ・・・。
◆シアン
青の宮殿のおかん。もとい近衛隊長。
厳しい美人大好きです。どちらかというと、近衛隊長を辞したあとの彼の方が素ぽくて好き。後半の彼と青の王とのやり取りも、旦那と奥さんのようで楽しいです。
シアンはサラとセットになっている姿が多かったですが、サラに対するおかんのような姿ももっと見たかったなと思いました。
この人もなんとなく様を付けたい。
セージの三顧の礼・・・いやお遍路参り(1か所)に浄化された人。
ぶっちゃけ彼が生きてまた元のポジションに戻っていたら、青の王とグリニッジと緑の王という三角関係がおがめたのではないか!?と思ってしまう。(グリ緑もっと見たかったです)
セージの中でギル以来、生きててほしいとか幸せになってほしいとか好きだったとかいう感情が出てきた人物でかなり慕っていたし体の関係もあったのだから、グリニッジ生きてたらジェントもうかうかしていられなかったハズ。
グリニッジにティンクチャー見たときとか、私の所有物発言をセージがしたときとか、もっとジェントが嫉妬したらよかったのになぁと思いました。
◆ルリ
女性の良さと悪さを全部つめこんだ優しい女性。
そもそも彼女がエールを刺さなければ、エールが八方美人すぎなければ、彼女も勘違いせずに恋をもっと違う形で消化できたと思うんだよね。エールの、誰でも大事にする癖がもうちょっと柔らかなものであれば、硬貨の勘違いも起こらなかったと思う。
他の感想とか見るとよく言われていることなんだけど、ルリはやったことの酷さのわりに、あまり被害は受けていない気がする。(だからアンチルリな人が多いんだと思う。私もその1人)
でもこの物語が、忘れることが一番つらいことだと定義されているから、一番大切な想い人を忘れて違う男との子供を産んで育てることになるのは、本人知らないとはいえ一番の罰なのかもしれないと思った。
ルリのことを思って、という意味ももちろんあるんだろうけど、ジェントなりの復讐もあるのかな?と考えたら震えが止まらねぇぞオイ。実際はどうなんだろうね。
◆エンバイア
頼れる西方の下町のおっさん。
ジェント以外でセージと呼ぶ唯一の人。セージセージ呼んでるときに、ジェントはもうちょっと嫉妬を出してもよかったんだよ?
どうせセージが自然派ビッチMならエンバイアさんと何かあってもよかったんだよ・・・私がエンバイアさん好きなだけだけど
◆個性的な部下たち
この物語の良いところでもある、部下たちが個性的で生き生きしていてよかったです。
中でもスクワルとガゾンが好きです。あとマラカイト様とウィロウのじいちゃんとスクワルのお父さんもwwおじさんが活躍する作品大好きなんです。
できれば脇役たちの簡単な紹介文も載せてほしかった。特に2~3巻は赤、黒の王の説明よりも大事です。個性的で重要な脇役がいっぱいいるし終盤は怒涛の展開すぎて誰が誰やら???も多かったから、漫画版ではぜひ・・・文だけで簡単でいいから・・・お願いします。
漫画版といえば、これから脇役たちも続々とイラスト化されるので今から待ち遠しいです。エンバイアさん登場まで漫画続きますように(>人<)
◆エール
全ての元凶天然ジゴロ兄さん。
元凶と言ったら可哀相だけど、彼の人たらしな魅力がなかった起きなかった事件。
パーピュア様が好きならパーピュア様だけにその優しさを披露していたらよかったのだけど、中途半端に優しくしてたらこうなりますよっていう・・・ね。
◆全体の感想
王宮もので謎ありタイムスリップありで次から次へと事件が起きるしで面白いお話でした!魅力的なキャラと話の面白さで集中して読めました。
不満点といえば、タイムスリップしすぎて今読んでいるのが”いつ”なのかがとてもわかりにくかったのが困りました。
タイムスリップだけでなく、夢で見ただけとかもあったので、まずこれは夢なの?タイムスリップしてるの?という検証からはじまって、読み進めてやっと「ああ、ここの場面は過去のいついつくらいなのね」とわかるので、話を追うのと時空を考えるのでとても疲れました。
特にウィロウと一緒にタイムスリップしたときが未だにちゃんと理解できていません。彼自身が言ったこととはいえ、そこから何ページにもわたってウィロウが出てこないしセージも探しているそぶりもないしそのうち気にもしなくなったのですごく心配しているうちにひょっこり戻ってきてホッとしました。が、結局あれは過去に置いてきたまま時が進んで再会できた・・・ってことでいいんですよね???(タイムスリップがちょっと前の過去だったからできたことなのかな)
私の中ではセージが王宮に来てから5年くらいはたってるのかな?と思っていたんですが、実際は3年くらいみたいで、あれっ?作中であれから1年とか半年・・・みたいな話が何回も出てきたから少なくとも5年はたってるのかな?と思ったんだけど・・・実際はどのくらいなんでしょうかね。誰か年表作って。FSSなみのやついるわ。
あと、青の王・ジェントの感情がもうちょっと表に出してほしかったです。
エンバイアがセージって呼ぶシーンやグリニッジのティンクチャーとかね。グリニッジ早く処分しろと言っていたのがもしかしたら嫉妬もあったのかもしれないけど、たまにはセージが「えっ?今のもしかして嫉妬?まさかね」と感じるくらいの何かが欲しかった。わかりにくさが彼の良さでもあるけど3巻ではもうちょっと・・・ねぇ。最終巻だし、甘々になる過程をもっとじっくり書いてほしかったです。
ルリの妊娠の件にひっかかっている人が多いようですが、まぁ理由があってのことだし、上で書いたけど私はあれもジェントなりの罰の与え方と考えたら逆に怖いなwと思ったのでそこまで気になっていません。
まぁだからこそもっとセージとジェントのラブラブを見たい・・・!と思ってしまうんですが。・・・青緑ラブラブ番外編、出ないかな~|д゚)チラッチラッ
あと、5人の王というタイトルだけど、赤と黒は影が薄いからタイトルと合わないんじゃないかという話は絶対しちゃだめだぞ!
タイトル、「緑の王と青の王」でもよかったんじゃ。。。と思わなくもないw
もしくは約束で縛られてもがいている人の話でもあるのだから、王の約束~かなわぬ願い~とか・・・あかん、ギャルゲのタイトルみたいやね。
ちょこちょこ読んで約2週間かけて読みましたが、とてもおもしろかったです。
ねじれた二人の王の愛情と国内の争いや事件、王の謎・・・。
最後まで読んだ私はすっかりジェントの不憫萌えにはまっていました(笑)
もっとこうしたらああしたら、こうなってほしかった~って、今作の場合は元が面白かったからこそ出てくる感想なので、作者さんにはぜひ、青緑ラブラブ番外編を出版していただきたいです。いつまでも待ってます!w
以上だ!長かった~